君との恋は面倒すぎる

 紗月と帰り進路指導室に寄っていく約束していた。

 進路指導室は先生との面談に使ったりするけど、進学先の資料や求人、過去のテスト、その対策の問題集などがたくさんあるので利用する生徒は時々いる。

 きちんと考えたいし、それに向けて必要な勉強とかしていきたいし、とそう考えて今から調べることにした。

 その準備をしていると、横から「日和ちゃん」と声を掛けられた。ふわふわした可愛らしい声。


「今日は一緒に帰れる?」


 その問いかけにどう答えるか悩んだ。

 いつもなら、一緒に行こうと誘うから。


「あ、ごめん。紗月と予定あって。遅くなっちゃうから別の日に一緒に帰ろ。」

「そっか…、寂しいな」


 そういう茉莉ちゃんに「ごめんね」と言葉にして手を振って離れる。

 避けているようで罪悪感が湧いたけれど、今は一緒にいると息が詰まる。

 そう言えば、今日蒼空くんと話していない。

 一日一回も話さないことなんてなかったけど、今はこれでいいかも。

 遠くにいる彼の姿だけを見て、紗月の教室へと向かう。




𓂃𓈒𓂂𓏸




「何か最近日和ちゃん元気無くね?」


 薫が不意にそんな事を言いだした。

 ここ最近日和の笑顔を見ていない。

 話しかけに行くと何か避けられてるような気がして、迂闊に近付けなくなっていた。


「…何か最近話しかけても鈴村と用事あるんだったとか言いながら、どっか行くんだけど」

「何したのお前」

「俺が聞きたい」


 最近電話しようと言っても断られるし、どうしたもんか。

 教室を出ていく日和の姿を見ながら、今の状況をどう打破するか考えていた。