君との恋は面倒すぎる

放課後、茉莉ちゃんがいつも通り「日和ちゃん、帰ろう」と誘ってくる。


「あー…、ごめん。茉莉ちゃん。私今日は蒼空くんと帰りたい!また明日一緒に帰らない?」


そう言うと少し傷付いたような表情をする。

そんな表情をされると悪いことしているわけでは無いのに罪悪感が湧いてしまう。


「…何で日和ちゃんは男の子…、柊くんと付き合えたの?怖くないの?」


そんな質問に考えた事も無くて返事に困る。

中学の時から好きだったし、私に男性恐怖症の気持ちは全て理解は今は難しい。

それでも何で蒼空くんだったかを答えるなら


「蒼空くんは、すごく優しい人で格好良いんだよ!なんでも器用にこなすように見えて不器用な所とかもあってね」


そう話し始めると「いいから」と後ろから口を塞がれる。


「…ごめん、島崎。今日は日和連れてってもいい?」


蒼空くんも普段茉莉ちゃんが私しか頼る所が無いのを分かっていて、気を使ってくれていたんだと思う。

私も茉莉ちゃんといるのは楽しいけど、蒼空くんと帰りたかったのもあって、嬉しかった。


「……はい」


茉莉ちゃんは目線を逸らして返事する。


「ありがとう!茉莉ちゃん!また明日ね!」


そう言って手を握って上下に振ると、茉莉ちゃんがようやく少し笑ってくれる。


「また、明日ね。」


手を振って分かれると、蒼空くんの隣を歩いて一緒に校舎を出ていく。