君との恋は面倒すぎる

「蒼空くん、先生お昼持ってきてくれた」

「ん」


 短く返事をすると私の手からトレーを取って持ってくれる。

 朝食の時みたいに向かい合い、お昼を食べる。

 お昼はオムライスですごく美味しい。


「もう明日で帰っちゃうね。今日のガラス細工行きたかったね」

「俺は、別に。正直疲れた」


 そう返事をするのが彼らしくて思わず笑ってしまった。

 蒼空くんは団体行動得意じゃないから、修学旅行自体そんなに乗り気じゃなかったみたいだった。なんだかんだ楽しんでくれてると思っていたのにな。


「少しでも無かった?楽しかった事」

「…あったよ、でも。日和と二人の方がもっと楽しかったと思う。一日目も昨日も。だから、今日が一番幸せ」


 あんな事あった後でも今日を幸せだって言ってくれる。

 そんなの、私だって幸せに決まってる。

 一緒に居られるだけで幸せなのだから。


「…蒼空くん」

「うん」

「私、嫉妬してた」

「え?」


 突然の話の振り方に蒼空くんは少しだけ驚いた顔をしてこちらを見た。


「…茉莉ちゃんと何も無いし、あそこで優しさだけだったってわかってるよ。でも、嫌だった。水族館で茉莉ちゃんを助けるために触れてたことも、昨日仲良さそうに話しながら一緒に来たことも、全部全部、嫌だった。」


 私の言葉を聞いた後、蒼空くんは何も言わない。

 羞恥心とか、不安とか全部込み上げてくる。

 なんとか言って欲しい。

 蒼空くんを見ると、口元を隠して顔を逸らしている。


「…え?」