君との恋は面倒すぎる

 そういえば蒼空くんはずっと学食なのだろうか。
 もしお弁当を作っていったら食べてくれるのだろうか。
 付き合ってすぐに手作りの食べ物は重い?

 なんてうじうじ考えながら「ねぇ、紗月」と話し掛けると、アイスティーを口にしていた紗月がこちらに顔を上げる。


「お弁当とか、重いかな。迷惑だと思う?」

「そういう時に連絡するんでしょうよ」

「あ、確かに」


 そんな正論にハッとしてスマートフォンを取り出す。

 LINEの友達欄から蒼空くんを探して、アイコンをタップする。
 トーク欄を開くも最初の文章を送信するのが一番難しい気がする。

 紗月や他の男の子に送る文はこんなに悩まないのに、どうして好きな人になった途端こんなに悩んでしまうんだろう。

 彼氏になってもその気軽さはまだまだ出てこなくて、送ることにも迷惑じゃないかなど考えて億劫になってしまう。


≪急に連絡ごめんなさい。お昼のことについて聞きたいことがあるんだけど…────≫


 と文を打っていく。この後もしばらく打ち込んだり消したりしながら、15分後。

 出来上がった文章を紗月に見せチェックしてもらっていると、眉間に皺を寄せながら読んでいる。


「…長い、くどい、重い、要点がわかりにくい」


 紗月のダメ出しの嵐に「なあっ!」と情けない声が出た。


「え、だめ!?これ!」

「お弁当作りたいと思ってるんだけど迷惑かだけ先に聞けばいいのよ、それで許可取れたら食べられない物無いか、好きなおかずはとか話広げられるじゃない」


 紗月のアドバイスに感動した。それなら話すきっかけも出来るし、蒼空くんの事を知るきっかけにもなるし、長く話せるっていうお得詰め合わせパックみたいなアドバイスだった。

 そんな革命的なアドバイスに紗月に思わず拝んでしまう。


「そうだよね!紗月天才!?」


 素直に感心して再度スマートフォンに夢中になる私に、紗月が呆れている事に気付かない。