紗月と分かれて教室に行き、黒板に書かれた席を見る。

七瀬…は、と探していると、「あれ、よかったじゃん。蒼空の隣」と後ろから声が聞こえる。

慌てて振り向くと、薫くんが「おはよ」と話しかけていた。


「え、私の席ある?」

「ないことなくね…?七瀬と柊、並んでるよ」


そう言われてもう一度黒板を見ると、真ん中の席の一番後ろに確かに私達の席があった。


「う、わ。紗月とクラス離れたこと以外は嬉しい…。」

「はいはい、早く行きなよ。バカップルさん」


そう言いながら薫くんも席の方に歩いていく。

隣の席、同じクラス。

名前順になるといつも席は近かったりするけど隣の席は初めてだ。

先に席にいる蒼空くんの元へ近寄って「おはよ」と声を掛けながら鞄を机の横にかける。


「おはよ」


蒼空くんから返事が来てニヤけてしまいそうになる。

今日からこんな風に自然に毎日挨拶できるなんて…、前みたいに駆け寄らなくていいんだ。


「隣の席、嬉しい」

「…いつも昼休みとか隣じゃん」

「もう!それとこれは別なんだから!」


そんな会話をすると蒼空くんは優しく笑ってくれる。

いつか席替えしちゃうけど、席替えしてもテストの度とかに隣になれる。

この出席番号で良かった。