君との恋は面倒すぎる

 沖縄で有名な美ら海水族館に到着してから、先生からの連絡事項を聞き、各々解散し始める。

 私も蒼空くんの元へ行き、行動を開始しようとしていた、その時だった。

 茉莉ちゃんが私の制服の裾を掴んでくる。


「…やっぱ今日ダメだよね?」


 朝まで平気そうにしてたのにいざその時間になったら怖くなったのか、申し訳なさそうな、小さな声で、そう問いかけてくる。

 紗月と話せるって言ってもそこまで仲良いわけじゃないもんね。
 でも蒼空くんのことないがしろにしたくない。

 そう考えながらも、今私がどうするべきか悩む。


「んー…」


 答えに悩んでいると紗月が寄ってくる。


「どうかした?」

「今、茉莉ちゃんがやっぱり一緒に回りたいって言ってくれてて…」


 そう返事をすると、紗月は少し苦笑いして「あー」と声を漏らしている。

 紗月と茉莉ちゃんと回るのも楽しいと思うけど、昨日の夜蒼空くんと約束したし、私自身2人で回りたかった。

 でも怖がってる茉莉ちゃん置いて、自分だけが楽しむのも、罪悪感が湧く。

 ほんの少し、困っていたところに、他の男子3人も異様な空気につられ、寄ってきた。


「え、なんかトラブってる?」

「あ、いや…、トラブルじゃないんだけど」


 抱きついてくる茉莉ちゃんを抱きとめて、どうするのが正解かわからない。

 蒼空くんは察したのか、一息吐く。


「いいんじゃない?6人でも。日和は鈴村と島崎とも回りたいんでしょ」

「でも…」


 私が言いたいことが、わかるのかふっと笑いかけてくれる。


「俺達はまた2人できたらいいんじゃない?そのうち」


 こういうところ、こういうところが好き…!
 うちの彼氏こういう所が尊いんですっ!

 2人で回りたい気持ちはあったけれど、彼がまた2人で来たらいいと言ってくれるのであれば、今日はみんなで回ってもいいかもしれない。

 そう思うようになった。


「いやいや日和、そこまであんたらが我慢する必要ないって。今日で長い自由行動は一旦最後だよ?」


 紗月が焦ったように止めてくるのに対して、首を横に振る。


「茉莉ちゃんがこういってくれて嬉しかったし、私紗月とも修学旅行の思い出つくりたかったから嬉しい!」


 そう言って笑いかけると、紗月は複雑そうな顔をする。


「嬉しいけど…」

「大丈夫!一緒に回ろう!」


 6人で回っても蒼空くんとも一緒には居られるし、悪い事ばかりでもない。
 こうなったら全力で楽しむしか無い。