君との恋は面倒すぎる


───Side 紗月


 柊くんが日和を連れ去った後、部屋の中は2人のことで盛り上がっていた。

 私も、あんなふうにスムーズに連れ去るなんて、やるなあ、なんて感心していた。

 茉莉は2人が出ていった後を眺めている。
 何となく察していた。
 きっと日和は違和感なんて持っていなくて、気付いているのは私だけ。

 この子多分、気になってるよね。柊くんのこと。

 私は、日和よりもこういうことに、鋭いほうだと思う。

 勘違いかもしれない。
 だけど、勘違いで済ませるには、彼女の視線があまりにも柊くんを追いすぎている。


「やるね、柊。彼女危険な思いさせたくないから連れてったんでしょ」

「本当だよな…。気軽な気持ちでおいでって言った俺って…」


 柊くんとの差を感じて落ち込む薫。

 好きな女子に会いたくて気軽に呼んでしまう気持ちもわからなくはない。
 柊くんは確かに出来た男子だと思う。


「たまには二人きりにしてあげたいのもあるよね、修学旅行なんてカップルにとって楽しいイベントでしょ」


 自然と薫と茉莉を牽制していた。
 きっと薫はわかっていると思う。
 もうそんなチャンスもない、と。