君との恋は面倒すぎる

 フロアが違う男子の部屋に簡単に辿り着いた。

 同じようなことを考える人は、他にも多数いて、ルール破りをしているのは私達だけではなかった。

 男子も女子のフロアに行っているし、行くのは簡単だけど消灯前、ギリギリに戻ろうとすると、先生の見回りが部屋に集中して戻りにくくなる。

 今は先生達も各々の時間を過ごしていて、その目を抜けるのは容易だった。

 多少警戒をしながらも、蒼空くん達がいるであろう部屋を紗月がノックすると、すぐにドアが開く。

 薫くんがすぐに出迎えてくれて、部屋の中に招き入れてくれた。
 あまりのスムーズさに、紗月が先程、連絡入れてたのは薫くんだったのかもしれない。

 私達を見るなり澤山くんは「おー」と歓迎してくれたけど、蒼空くんは少し目を見開いた後、顔を顰めていた。


「お邪魔しまーす」


 普通に入ってく紗月の服の裾を掴んで恐る恐る入る茉莉ちゃん。

 私もその後に続き、恐る恐る中に入っていく。


「先生いた?」

「いや、今はまだ売店の方とか集中してる。早めに戻った方がいいかもね」


 そう言いながら紗月は茉莉ちゃんの肩を男子のようにグッと抱き寄せて私を蒼空くんの方に突き飛ばす。

 何も準備も整っていなかったから、体は簡単に倒れていく。


「えっ!?」

「茉莉は、私と座ろ」


 蒼空くんの方に倒れ込むように行くと、抱き止めてくれた。


(あ、あぶな…)


 転びそうな感覚に、冷や汗をかいた。