君との恋は面倒すぎる

 夕食もホテルで、班のメンバーと済ませる、お風呂も大浴場で済ませた時だった。紗月と私と茉莉ちゃんの、いつもの三人でホテルの売店で飲み物を買い、部屋に戻っている時。


「部屋でガールズトークでもする?」

「あり」


 茉莉ちゃんとそう話しながら、長めの廊下を歩く。

 修学旅行の1日目があっという間に終わって、今日を過ごし、あと2泊もしたら帰らなきゃ行けない。

 明日は美ら海水族館。
 その次の日は再び観光地を班行動で回る。


「え、男子の部屋行かないの?」


 紗月の声に茉莉ちゃんの肩が揺れる。
 さすがにその提案には私の顔も引きずった。

 茉莉ちゃんのこともあるけど、そもそも男女間の部屋を訪れる事は禁止だ。先生にバレたら怒られて反省文をきっと書かされる。


「あー、いや。いいかな…」


 さすがに茉莉ちゃん置いていけないし、まだ残りもあるのにリスク追うのは…。

 そう考えていると茉莉ちゃんが私の服の裾を掴む。


「…いいよ。日和ちゃん、普段からいつも私に合わせてくれてるから頑張る…」


 茉莉ちゃんの言葉に少し驚いた。

 最近は、確かに班の中の男子には少しでも返事はできるようになったし、充分話せるようになってきている。

 それでもいきなり男子の部屋なんて怖いはず。


「茉莉ちゃん、無理しなくていいんだよ?」


 私がそう声を掛けると、茉莉ちゃんは少し顔が強張っていたけれど、決意した表情をみせ、首を横に振った。


「…うん。大丈夫」

「よし、じゃあバレないように行こ。今なら先生の見回りこの辺で集中してるはず」


 紗月がスマートフォンを取りだして何やら連絡している。

 私は茉莉ちゃんが心配で、無理をしているのではないかと、不安に思っていた。