君との恋は面倒すぎる

 班行動を済ませ、ホテルに戻ってきたあと、みんなが海に行くのを部屋のベランダから見ていた。部屋の端では茉莉ちゃんが、荷物の整理をしている。

 水着、は一応持ってきた。露出高いものやめてって言われてたし、ワンピースっぽく見えるもので、色はピスタチオカラー。

 見た目はすごい可愛いけど、似合うかどうか。

 紗月は可愛いよって言ってくれたけど……!露出はちょっとお腹見えるかもだけど、そんなにしない物にしたし…。

 そんなことを考えながら、いまだに着るかどうかを悩んでいる。

 部屋のノックが聞こえて、ドアの方に向かった。


「はーい?って、紗月?」

「海、行くんでしょ。髪とかやってあげるから入れて!」


 既に着替えを済ませたのか、中には既に水着を着用していた。ボーイッシュな水着ですごく可愛い。

 このホテルではもう水着を着て移動する人も多いみたいだし、今着替えたとしても、違和感はない。

 そして、こうして後ろ向きになっている時に、いつも背中を押してくれるのは紗月だった。


「お願いします!紗月さん!」

「はいはい、ほら急ぐよ」


 慌てて水着に着替えると、髪のセットとうっすら化粧も施してくれる。紗月は本当に手先が器用で、浴衣の時のメイクも、紗月がやってくれた。

 今回もかなり可愛く施してくれて、いつもと違う自分を見て緊張してきた。

 可愛いって思ってくれるかな、蒼空くん。

 ちらりと、茉莉ちゃんの方を見ると、彼女は海には入らないつもりなのか、私服に着替えている。


「海、入らないの?」

「あ、うん。足だけにしようかなって」

「そっか」


 無理強いもよくないと、そこまで無理には言わなかった。


「よし、出来た。ほら!行こう!さっき薫が海に出るって連絡寄越してきてたから多分柊くんもいるよ」

「ありがとう、紗月!」


 ホテルを出て、3人でビーチの方に出る。人が大勢いて、この中から蒼空くんを探すのが難しい。


「もう既にめげそう…」

「ここまで来て?」


 呆れ笑いする紗月。

 3人で浜辺をゆっくり歩いて、散歩する。

 その間も人混みの中から、彼を探していた。