君との恋は面倒すぎる


「本当に暑いよね、茉莉ちゃんも限界そう」


 とりあえず立ち止まっていてもどうしようもない。
 歩きながら、行き先で何かあればと探す。

 一番最初に向かうのは、国際通り。食べ歩きをするのが手番で、そこには、薫くんが食べたがってる冷たいものも売っている。

 ひとまず体を冷やそうと、各々ソフトクリームを買って口にする。選んだのは紅芋ソフトクリーム。

 甘すぎないけれど、ほんのりした程よい甘さがちょうどいい。舌に合う。

 蒼空くんの方にちらっと視線を向けると、薫くんに絡まれてうんざりしたような表情をしていた。

 多少なりとも知らない街でテンション上がってる私達とは違って、いつも通りすぎる蒼空くん。

 変わらないなと苦笑いしていると、蒼空くんもこちらに向き、ふと目が合う。

 突然の出来事に驚いていると、蒼空くんはこちらに近付いて隣に並んできた。


「何それ?」

「紅芋ソフトクリームだって!ひとくち食べてみる?」


 なーんて、普段言っても断られるからほぼ冗談のつもりだった。

 きっと彼は断るだろうと思いながらも差し出すと、そのまま屈み、ソフトクリームに顔を近付け、ひとくち。

 まさかの行動に顔に熱が上昇した。


「えっ……」

「甘…」


 顔を顰めながら離れていく。

 ソフトクリームの間接キスは聞いてなかった。
 飲み物や他の食べ物よりもなんとなく意識してしまう。

 それでも口にするしかなくて、少し気まずい思いをして、私もそれを遠慮がちに舐めた。

 普通にしているだけでも、顔が熱い。