君との恋は面倒すぎる

「え…、何で?」

「日和が塾の間に、日和さんとクリスマス一緒に過ごしたいので夜お時間くださいって。わざわざここまで言いに来たの。そんな彼氏普通いないわよ」


家に来たって話は聞いていたけど、そんな風に言ってくれてたなんて知らなかった。

だって、電話では過ごせないみたいな感じだったし。

それでも、少しでも諦めないで私との時間作ろうとしてくれたんだよね。

そう思うと凄く心が温かい。


「うん、いい人だよ」

「良かったね」


笑いかけてくれるお母さんに頷いてお盆の上に飲み物2つ置いて、部屋に上がっていく。


「おまたせ」


部屋で座っている蒼空くんに飲み物を渡すと「ありがとう」と受け取るのを見て飲み物から手を離す。

それからクリスマスプレゼントを机の上から取って、そっと蒼空くんに渡した。


「なにこれ」

「クリスマス、会えないかなって思ってたけど用意してたの」


蒼空くんは受け取ると「開けて良い?」と聞かれてうんと首を縦に振る。

そっとラッピングを綺麗に解いていくと、中からは黒の定期入れとキーケースが出てくる。