君との恋は面倒すぎる

驚くお母さんに小さな声でお願いする。


「ちょっと上がってもらっても良い?私の部屋。そんなに遅くならないようにするし。」

「良いけど。お父さんもお兄ちゃんも今居ないから、行くなら今のうちよ。見つかるとうるさいでしょ」


しーっとジェスチャーをしながら、許可をしてくれた。


「え、俺上がっていいの、そんな状態で」

「うるさいから大丈夫、特にお兄ちゃん」


そう言うと、蒼空くんもうちの兄の事は知っているからか「ああ」と小さく声を零していた。

それから2人で静かに2階にある自分の部屋に向かう。

部屋に入ると、蒼空くんが少し落ち着かない様子だった。


「座って待ってて、温かい飲み物入れてくるね。」

「お構いなく」


その返事を聞いて、リビングに降りる。

リビングのソファーで寝るお父さんと、キッチンで洗い物しているお母さん。

お母さんの隣に立って、飲み物の用意を始める。


「いい子ね、あの子。」


そう言ってくれるお母さんに少し驚いた。