君との恋は面倒すぎる

「何か緊張する。」

「何で堂々としてなよ」

「そうなんだけど、というかお出かけするならおしゃれしたかった…」


不貞腐れる私に視線を向けて、蒼空くんはふと笑う。


「サプライズにしたかったし、そのままでも大丈夫。可愛い」


可愛いなんて素直な言葉をストレートにくれる蒼空くんに頬が熱くなる。

そんな甘い言葉に優しく笑ってくれるから、それだけでお姫様になれたようなそんな気分。

可愛いなんて滅多に言ってくれないのに、今日の蒼空くんは特別甘くて優しくて、本当に王子様みたいだ。


「それに、冬休み始まったばっかでしょ。次出掛ける時可愛く着飾ってきて。」


遠回しに冬休みにこれからも会えると取れるような言葉に口元が緩んでしまう。

初めて過ごす好きな人とのクリスマス。

蒼空くんがこんなに甘くなってくれるなんて知らなかった。

会いに来てくれただけで最高のクリスマスだ。

それに、会えると思っていなかったから家に用意だけしておいたプレゼント、送ってくれた時に渡してもいいかな。

シンプルな革製の定期入れとキーケース。

何が良いか分からなくて、悩みに悩んだけど使えそうだし、予備として持っていてもいつか使えるかと無難なプレゼントにしてしまったけど。

この後上手く渡せるかなんて緊張していて、心臓がバクバクしている。

そんな緊張を気にする事無くご飯が届いて、2人で他愛の無い話をしながら楽しく夕食の時間を過ごす。