君との恋は面倒すぎる

「ほら、早くしないと時間無くなるよ。クリスマスだからどこも混んでるけど、何か食べたいもんある?」


そう言いながら私の手を引いてくれた。

あんなに冷たかったのをすぐに許せてしまうぐらい優しい。

本当にずるい人だと思う。




𓂃𓈒𓂂𓏸




たまたま入れたお店で、向かい合って座る。

いつもよりちょっとおしゃれなお店に緊張が止まらない。

こういうお店には初めて来た。


「蒼空くん、ここ来たことあるの?」

「いや、初めて。」


そう答えながらメニューを優雅に眺めている。

夜に一緒にお出かけする事も普段無いからいつもと違うシチュエーションに緊張する。

蒼空くんはいつも遅くなる前に家に送ってくれるから。