君との恋は面倒すぎる

 昼休み、声を掛けようとするも、相変わらず蒼空くんは女子に呼び出されたり囲まれたりしていて、なかなか空きが出来なさそうだった。

 彼女のはずなのにこのイベントを彼氏と過ごせないのはさすがに切ない。周りの女の子の方が積極的にいけてて、何で私はこんなに弱気なんだろうと、自分が嫌になった。


「日和?今日は空き教室行かないの?」

「うーん、蒼空くんが大変そうなんだよね」


 声を掛けてきた紗月に苦笑いで答えると「あー」と声を漏らしている。

 今日は話しかけに行く暇も無いくらい忙しそう。
 みんな彼女いるから諦めようにはならないんだな。
 私と蒼空くんは別に付き合ってるのを隠していない、というかこのバレンタインの浮かれた時期とかになると、みんな私の存在を無視してもいいとか思ってない?

 そんな事を考えていると廊下から少し大きめの声で聞こえてくる。


「また蒼空くんいないや」

「みんな呼び出してるんだねー。でもよくよく考えたらさ、彼女いなかった?」

「ああ、別に関係なくない?そんな可愛いわけでもないし」


 そんな事実を言われてしまって胸がチクッと刺された痛みが走る。

 そんなはっきり可愛くないなんて言わなくても…。

 理不尽な悪口に何も言い返すことは出来なかった。