「おはよー、日和」
紗月が近くまで来るなり「おはよう」と挨拶を返した。
「渡した?」
「まだ渡さないの?」
「うーん…」
昨日、紗月の家でバレンタインを作ったから、紗月とは交換済みだった。毎年紗月とは、一緒に手作りしていて、お互いに何を作ったか誰に渡すかも共有している。
中学の時は、蒼空くんに渡していた。その時から今みたいな無表情だったけど「ありがとう」と受け取ってくれていたのを思い出した。
考えてみれば人から物を受け取らない蒼空くんが唯一受け取ってくれていた。どうして今になるまで蒼空くんの小さなサインに気付かなかったのだろうか。
中学生の時から知らず知らずの内に、特別扱いをしていてくれた事に気付いて顔が熱くなった。
今だって渡すだけでも、してみるべきだ。
もしいらないなら捨ててもらえばいい。
昼休みに渡そう。
そう覚悟を決めて今はまだ蒼空くんに込めた気持ちをバッグの中に仕舞っていた。
紗月が近くまで来るなり「おはよう」と挨拶を返した。
「渡した?」
「まだ渡さないの?」
「うーん…」
昨日、紗月の家でバレンタインを作ったから、紗月とは交換済みだった。毎年紗月とは、一緒に手作りしていて、お互いに何を作ったか誰に渡すかも共有している。
中学の時は、蒼空くんに渡していた。その時から今みたいな無表情だったけど「ありがとう」と受け取ってくれていたのを思い出した。
考えてみれば人から物を受け取らない蒼空くんが唯一受け取ってくれていた。どうして今になるまで蒼空くんの小さなサインに気付かなかったのだろうか。
中学生の時から知らず知らずの内に、特別扱いをしていてくれた事に気付いて顔が熱くなった。
今だって渡すだけでも、してみるべきだ。
もしいらないなら捨ててもらえばいい。
昼休みに渡そう。
そう覚悟を決めて今はまだ蒼空くんに込めた気持ちをバッグの中に仕舞っていた。

