君との恋は面倒すぎる

今日は一緒に居たくないなんて初めて言われた。


「…日和ちゃん、ごめん」

「あ、ううん。薫くんが悪いわけじゃないから。落ち着いたら蒼空くんと話してみるね」


薫くんの申し訳なさそうな声に、なんとかできる限りの明るい声で返事をして私も席の鞄を取りに行く。

早くここから出ていかないと涙が溢れそうで、急いで立ち去る準備をした。


「先帰るね、紗月に言っといて」


そう言って帰ろうとドアの方に向くと、突如後ろから抱きしめられる。

その相手が言うまでも無く薫くんなのは分かっていて、振り切ろうと抵抗しても中々身体は離れてくれない。


「やめて、薫くん」

「あんな話聞かないで傷つけること言ってくるような奴のどこが良いの。俺でいいじゃん」

「やめて!」


再度そう叫ぶと、薫くんの体が離れる。

蒼空くんの事悪く言われたくない。

抱きしめられても気持ちには答えられない。


「何でそこまで蒼空しか見えてないの」


薫くんの切ない声を無視して、その場から走って離れた。

今誰かに何をされても頭の中は蒼空くんでいっぱいだった。