君との恋は面倒すぎる

 たった一言「一緒にお昼食べない?」って言うだけなのに言葉が詰まり、緊張と蒼空くんを待たせてしまっていることに気が焦る。

紗月がせっかく機会作ってくれてこんなチャンス逃したくないのに。

 うまくいかず思わず涙が零れそうになって俯いていると、周りから私を隠すように私の前に立つ。


「七瀬、落ち着いて」


 慌ててしまって頭が真っ白になっている私を落ち着かせる様に静かに、だけど優しく声を掛けてくれた。

 蒼空くんの顔を見ると、視線を合わせて急かすでもなく、ポーカーフェイスで表情からは感情は変わらず読み取れないけれど、怒っていない事だけは伝わる。


「大丈夫、ちゃんと待ってるから。ゆっくり話してみて」


 安心させる様な優しい声で言ってくれる蒼空くんに好きが溢れてしまう。

 クールだけどこんなに優しい所が好き。


「お昼、一緒したい、です」


 ようやく出た小さな声での言葉。

 蒼空くんの返事を待っていると「俺、学食だけど」と言葉が飛んできた。


「あ…」


 お弁当を持って学食行く人なんて居ない。
 しまった、完全に盲点だった。

 そんなことをすれば私は恥をかくが、蒼空くんとのお昼のチャンスを逃したくはないと、簡単に引き下がれなくなる。