無気力な先輩は、私のヒーローです。

花side

仕事をしていたら、完全下校10分前になっていた。伊織先輩の声掛けで片付けを始める。すると、私の携帯が鳴った。画面を見るとクラスメイトの名前が表示されていた。



「もしもし、どうしたの?」



いつも電話なんてしてこないのに、何かあったのかなと思いながら電話に出る。



「明日の数学、私が問題の答えを発表する日なんだけど、全然分からなくて…。朝早く来て教えてほしい!お願い!」

「分かった、いいよ。7時半くらいに行けば大丈夫?」



準備にかかる時間と通学時間のことを考えると…5時半起きかぁ。今日は課題が多くて寝る時間がいつもより遅くなりそうだけど、1日くらいなら睡眠時間短くても大丈夫かな…。

なんて考えていると、先輩と目が合った。何か言いたげな顔をしてこっちを見てる。電話を終えて、先輩に話しかけた。



「先輩、どうしました?」

「…んーん、何でもない」

「そう、ですか」