無気力な先輩は、私のヒーローです。

花side

とある日の昼休み。お弁当を食べ終わったところで、クラスメイトに話しかけられた。



「花ちゃん、係の仕事代わってくれない?ちょっと他の用事があってできそうになくて…」

「うん、いいよ。何したらいいの?」

「数学のノートをクラス全員分集めて、職員室まで持って行って欲しいの」

「分かった。やっとくね」

「ありがとう!助かる~」



本当は、次の授業のミニテストの勉強をしたかったけど、いつもの癖で引き受けてしまった。

でも、困ってるみたいだったし…まぁ、さっと集めて持っていけばいっか。



「わ!あと10分しかない、急がなくちゃ」



ノートの提出があるときは係の人の机の上に置くことになってるけど、未提出の人が何人かいて、全員分集めるのに結構時間がかかってしまった。

足早に職員室へ向かう。その道中、階段の踊り場で伊織先輩にばったり会った。



「花、何してるの?」