無気力な先輩は、私のヒーローです。

花side

「ん~、あと5分~…」



生徒会長の伊織先輩。

いつも眠そうにしてるし、1度寝るとなかなか起きてくれない。「あと5分」は先輩の常套手段だ。

それに、「めんどくさーい」が口癖で、すごく無気力。先輩がてきぱき動いてるところなんて見たことない。

なのに、



「花、それ半分ちょうだい。俺やるよ。」

「今日、なんかいつもより元気なくない?」



私の仕事をよく手伝ってくれて、

友達も家族も気付かないような小さな変化に気付いてくれる。

私は、そんな伊織先輩に恋をしている。

…でも、今はまだ会長と副会長の関係でいい。だって、もし私が先輩に告白したら、気まずくなってしまうかもしれない。そしたら、今みたいに隣で過ごすことはできなくなる。

それにしても、先輩の浮いた話って聞いたことないけど、好きな人とかいるのかな…。