「ユリ先輩が言った通り、街では公共物が盗まれたり壊される問題が発生していて、それらは王子様が寄贈したものばかりでした」
「今朝は駅前の銅像もらくがきの被害にあったと聞いたわ」
「らくがき? 盗んだり壊すだけじゃなくて、子供っぽいやり方もするんですね」
「まぁ、犯行全てが同一人物とは限らないけれど。王子寄贈品ばかり狙う不届き者をこのままにしておけない! 警察は人的被害が出ないと動かないだろうとお父様がおっしゃっていたし、やはりキャンディガール候補生の出番じゃないかしら?」
徹夜でまとめた王子様寄贈品マップを先輩は大事そうに指先でなぞる。
イラストを描いたり新聞記事を貼った試行錯誤が伝わるといいな。
「ーー作るの、大変だったでしょう? この街は王子のアート作品と言われるくらい【彼の感性に包まれている】のよ」
「詳しく調べてみたら驚きました! 学園の制服、王子様がデザインしたんですね!」
立ち上がり胸元へ手を当てた。わたし、ドキドキしている。
「ユリ先輩、わたしもパトロールしたいです! これ以上、王子の作品が汚されるのは許せません。足を引っ張らないようにするのでお願いします!」
深呼吸してから改めてお願いする。
「見回りの時間は夜よ? ご両親が心配しないかしら?」
「そこは平気です! わたし、ひとり暮らしなので。どちらかと言ったら先輩の方が大丈夫です?」
ユリ先輩が裕福な家庭のお嬢様であるのは有名な話。確かお父さんは弁護士、お母さんはニュースキャスターだ。
「今朝は駅前の銅像もらくがきの被害にあったと聞いたわ」
「らくがき? 盗んだり壊すだけじゃなくて、子供っぽいやり方もするんですね」
「まぁ、犯行全てが同一人物とは限らないけれど。王子寄贈品ばかり狙う不届き者をこのままにしておけない! 警察は人的被害が出ないと動かないだろうとお父様がおっしゃっていたし、やはりキャンディガール候補生の出番じゃないかしら?」
徹夜でまとめた王子様寄贈品マップを先輩は大事そうに指先でなぞる。
イラストを描いたり新聞記事を貼った試行錯誤が伝わるといいな。
「ーー作るの、大変だったでしょう? この街は王子のアート作品と言われるくらい【彼の感性に包まれている】のよ」
「詳しく調べてみたら驚きました! 学園の制服、王子様がデザインしたんですね!」
立ち上がり胸元へ手を当てた。わたし、ドキドキしている。
「ユリ先輩、わたしもパトロールしたいです! これ以上、王子の作品が汚されるのは許せません。足を引っ張らないようにするのでお願いします!」
深呼吸してから改めてお願いする。
「見回りの時間は夜よ? ご両親が心配しないかしら?」
「そこは平気です! わたし、ひとり暮らしなので。どちらかと言ったら先輩の方が大丈夫です?」
ユリ先輩が裕福な家庭のお嬢様であるのは有名な話。確かお父さんは弁護士、お母さんはニュースキャスターだ。

