☆
「せんぱーい! ユリ先輩ー!」
校庭のベンチで読書をしているユリ先輩。
「はぁ、また大きな声で。それと3分の遅刻よ」
「す、すいません! 急いで来たんですけど……あ、それでーー」
「今朝の件といい、時間にルーズじゃキャンディガールは勤まらないと思うわ」
わたしの言葉を遮り、ページにはしおりを挟んで閉じる。先輩は詩集を読んでいたみたい。
「すいません。職員室へ寄っていて」
「職員室? 先生に呼び出されたの?」
「ち、違います、質問しにいったんです! どうすればキャンディガールになれるか教わろうと」
「それで? 良い結果は得られたのかしら?」
切れ長の目元が隣へ座るよう合図してきて、隅っこに腰をおろす。
理事長とのやりとりを話すより先に言葉が足された。
「学園はキャンディガールを目指す活動は否定しない。けれど協力もしないスタンスでしょう? キャンディガール部が陸上部や野球部のように認められていないのがその証拠よ」
ユリ先輩の眼差しはグラウンドへ流される。そこにはミチルちゃんの姿があった。
「キャンディガール部が正式なクラブでない以上、あなたも一応何処かのクラブに所属しないといけないわ。今日はその件でお話をしたかったのだけれど……」
ユリ先輩の姿勢は真っ直ぐで、言葉遣いも丁寧。王子様を支える教養と品性が備わっている先輩に弟子入りを志願したものの、歓迎されていない。
「せんぱーい! ユリ先輩ー!」
校庭のベンチで読書をしているユリ先輩。
「はぁ、また大きな声で。それと3分の遅刻よ」
「す、すいません! 急いで来たんですけど……あ、それでーー」
「今朝の件といい、時間にルーズじゃキャンディガールは勤まらないと思うわ」
わたしの言葉を遮り、ページにはしおりを挟んで閉じる。先輩は詩集を読んでいたみたい。
「すいません。職員室へ寄っていて」
「職員室? 先生に呼び出されたの?」
「ち、違います、質問しにいったんです! どうすればキャンディガールになれるか教わろうと」
「それで? 良い結果は得られたのかしら?」
切れ長の目元が隣へ座るよう合図してきて、隅っこに腰をおろす。
理事長とのやりとりを話すより先に言葉が足された。
「学園はキャンディガールを目指す活動は否定しない。けれど協力もしないスタンスでしょう? キャンディガール部が陸上部や野球部のように認められていないのがその証拠よ」
ユリ先輩の眼差しはグラウンドへ流される。そこにはミチルちゃんの姿があった。
「キャンディガール部が正式なクラブでない以上、あなたも一応何処かのクラブに所属しないといけないわ。今日はその件でお話をしたかったのだけれど……」
ユリ先輩の姿勢は真っ直ぐで、言葉遣いも丁寧。王子様を支える教養と品性が備わっている先輩に弟子入りを志願したものの、歓迎されていない。

