☆
放課後ーーわたしはユリ先輩との待ち合わせの前に職員室へ寄った。
(学園生活で困った事があれば相談してね、って言ってくれたし)
担任の三木差(みきさ)先生はズバズバ物を言う所があるので、キャンディガールについてストレートな答えを貰えるかもしれない。
言葉がオブラートに包まれない分、ショックを受ける可能性もあるけれど、このままジッとしていたって何も始まらないから。
「お嬢さん、リボンが曲がってますよ」
踏み込もうとした時、柔らかい指摘を受ける。
「赤色のリボン、1年生ですね」
その人はわたしの曲がった胸元を示し、クスリと笑う。
「え、あっ、やだ、わたしってば恥ずかしい! またユリ先輩に怒られちゃう!」
いつのまにかヨレていたリボンを慌てて結び直す。
「まだ着慣れないのですから仕方ないでしょうに。厳しい先輩ですね」
「いえ、ありがたいくらいです! 身なりを整えていないとキャンディガールになれませんので!」
「……キャンディガール。貴女はキャンディガールになりたいのですか?」
ここで我に返り、顔を上げた。目の前の男の人が誰かなんて気にせず、会話をしてしまった。
「あ、えっと、その」
少なくてもこの人は先生じゃない。こんなイケメン教師がいたら噂になるもの。
ますます頬が熱くなり、クスッて笑われる。
放課後ーーわたしはユリ先輩との待ち合わせの前に職員室へ寄った。
(学園生活で困った事があれば相談してね、って言ってくれたし)
担任の三木差(みきさ)先生はズバズバ物を言う所があるので、キャンディガールについてストレートな答えを貰えるかもしれない。
言葉がオブラートに包まれない分、ショックを受ける可能性もあるけれど、このままジッとしていたって何も始まらないから。
「お嬢さん、リボンが曲がってますよ」
踏み込もうとした時、柔らかい指摘を受ける。
「赤色のリボン、1年生ですね」
その人はわたしの曲がった胸元を示し、クスリと笑う。
「え、あっ、やだ、わたしってば恥ずかしい! またユリ先輩に怒られちゃう!」
いつのまにかヨレていたリボンを慌てて結び直す。
「まだ着慣れないのですから仕方ないでしょうに。厳しい先輩ですね」
「いえ、ありがたいくらいです! 身なりを整えていないとキャンディガールになれませんので!」
「……キャンディガール。貴女はキャンディガールになりたいのですか?」
ここで我に返り、顔を上げた。目の前の男の人が誰かなんて気にせず、会話をしてしまった。
「あ、えっと、その」
少なくてもこの人は先生じゃない。こんなイケメン教師がいたら噂になるもの。
ますます頬が熱くなり、クスッて笑われる。

