「リンカには悪いが、今どきキャンディガールを信じている奴は少数派」

「だって国が認めてる機関だよ?」

「なら、実際に王子様をお守りするキャンディガールを見たことあるか?」

「そ、それは……ないけど」

「でもって、ここが国家機密を任す人間を育てる環境だと思う?」

 ミチルちゃんの言う通り、学園ではキャンディガールの育成指導を行っていない。

「あははっ、そんな顔するなって! 夢を見るのは悪い事じゃないだろ! それに少なくともユリ先輩は信じてるんだろ? 仲間がいて良かったじゃん」

「……うん」

 ミチルちゃんとはクラスが違うので教室の前で別れた。

(はぁ、一度先生に聞いてみようかな)

 わたしは王子様を守るキャンディガールという職業に憧れている。ただ、どうしたらなれるのか知らないんだ。