☆キャンディガール★

 むしょうにユリ先輩と約束を交わしたくなり、通った鼻筋に向かって小指を出してみる。

 先輩は最初パチパチ瞬くだけだったものの、意味が分かると優しく微笑む。

「……約束するなら優しい約束をしたいのね、あなたらしい。いいわ、綿貫さんが私のライバルと成り得たら名前で呼んで差し上げる」

「はい!」

「そうと決まれば今夜から巡回ね!」

「はい! よろしくお願いします!」

「フフッ、本当に返事だけはいいんだから。言っておくけれどビシバシいくわよ」

「はい!!」

 こうしてわたしはキャンディガール候補生とし、記念すべき一歩を踏み出したのだった。