サラサラのストレートヘアが舞い、ユリ先輩も立ち上がった。
青いリボンの前で両手を重ねる。
「幼い頃よりこの身に宿る想い、両親にだって止められない。危険があるかもしれないのは承知しているわ。私、いざという時のため護身術を嗜んでますの。あなたは?」
「え、わ、わたしはーー」
「不良や酔っぱらいに絡まれる可能性、ゼロじゃないのよ? 身をまもる術は持っておくべきだわ」
「そう、ですよね」
「……」
「えっと、もしも絡まれたりしたら、わたしは」
「何も考えなくていい、逃げなさい」
「へ?」
「たとえ私をその場に残す事になろうと逃げなさい、そう言ったの。約束できるかしら?」
「そんなっ! ユリ先輩を置いていけない! たとえ話でもやめて下さい、考えるだけで悲しくなっちゃう!」
(もしもユリ先輩が想像するピンチに陥ったとても、2人で切り抜ける方法を探したい。絶対にあるはずだよ)
先輩の手を取り、ギュッと握ってみた。繊細な指先は冷たい。
「ユリ先輩はこれまで1人で活動してきました。けど今はわたしがいます! 頼りにならないと思いますが、一緒に考える事くらい出来ます!」
「綿貫さん……」
「リンカって呼んでくれませんか? そのほうが同じ夢を追い掛ける仲間っぽいーーあっ、そっか、わたしは弟子だったっけ! ヘヘッ、じゃあ仲間として認めてくれた時に呼んで下さい!」
青いリボンの前で両手を重ねる。
「幼い頃よりこの身に宿る想い、両親にだって止められない。危険があるかもしれないのは承知しているわ。私、いざという時のため護身術を嗜んでますの。あなたは?」
「え、わ、わたしはーー」
「不良や酔っぱらいに絡まれる可能性、ゼロじゃないのよ? 身をまもる術は持っておくべきだわ」
「そう、ですよね」
「……」
「えっと、もしも絡まれたりしたら、わたしは」
「何も考えなくていい、逃げなさい」
「へ?」
「たとえ私をその場に残す事になろうと逃げなさい、そう言ったの。約束できるかしら?」
「そんなっ! ユリ先輩を置いていけない! たとえ話でもやめて下さい、考えるだけで悲しくなっちゃう!」
(もしもユリ先輩が想像するピンチに陥ったとても、2人で切り抜ける方法を探したい。絶対にあるはずだよ)
先輩の手を取り、ギュッと握ってみた。繊細な指先は冷たい。
「ユリ先輩はこれまで1人で活動してきました。けど今はわたしがいます! 頼りにならないと思いますが、一緒に考える事くらい出来ます!」
「綿貫さん……」
「リンカって呼んでくれませんか? そのほうが同じ夢を追い掛ける仲間っぽいーーあっ、そっか、わたしは弟子だったっけ! ヘヘッ、じゃあ仲間として認めてくれた時に呼んで下さい!」

