僕より大きな物を背負っている君へ

ゆっくり扉を開けるとそこには、まおりちゃんがいた。

楽譜を見ながら、クラを吹く準備をする。

まおりちゃんは、クラパートの中で一番大切な所を任されている。

そして、クラを構えて、口にくわえて、演奏を始めた。

第一音楽室には、まおりちゃんと俺しかいなかった。

綺麗なリズムと音色が音楽室の中で響き渡る。

あぁ…なんて綺麗なんだ。いつもまおりちゃんのクラを聞くたびそう思う。

年も同じで生きている時間も同じはずなのに、どうしてこんなにも違うのだろう。

あの子には、何が見えているんだろう。

どうしてそんなに輝いていられるの?

俺もあんな風に吹いてみたい。

あんな風に輝いてみたい。

そして、演奏は終わった。

そして、まおりちゃんは振り向いて俺に気づいた。

「あれ?春遠くんどうしたの?」

「え?」

「だって春遠くん今…」


「泣いてるよ?」