僕より大きな物を背負っている君へ

そして俺は、クラリネットのグループに入ることになった。

メンバーは三年の先輩が二人、二年の先輩が一人、そして俺を含めた一年生三人だった。

俺以外、全員女子。まぁ当たり前か、と心の中で言う。

「よろしくね!青木 春遠(あおき はると)くん!」と急に言ってきた同級生がいた。

「えっと、なんて呼べばいい?春遠くん?」と笑みを作り首を傾げて言う。

「え、えっと…青木でいいよ」と言ったらその女子は首を元にグイッと戻した。

「え~苗字?春遠くんでいいじゃん!」と言いながらぴょんぴょん跳ねた。

「じゃあ下の名前でいいよ…えっと…凍宮さん」と言ったら、こっちを睨んで凍宮さんが言った。

「これから三年間一緒にやるのに凍宮さん?!下の名前で呼んで!あとちゃんつけて!」とぐいぐい寄って言った。

下の名前は、たしかまおり?だっけ。

下の名前でかつ’’ちゃん’’付けなんて、小学三年生以来言ってない。

「マズイ」と何度も頭に浮かび上がった。

凍宮さんが「はやく、はやく」と何度も繰り返す。

言わないと終われないそう思って、声に出した。

「ま…まおりちゃん…」と目を逸らして小さく聞こえるように言った。

「えっ!ずる~い私も私も~!」

「私もよんで~!」

クラパートの女子たちが笑って寄って来た。

「いやいや!無理ですー!!」と言って恥ずかしくてその場から逃げた。

「待てー!」と先輩たちが追ってくる。

でもまおりちゃんだけはその場で笑っていた。