僕より大きな物を背負っている君へ

「…え…」まおりちゃんは口を隠して絶句した。

「小学三年生の時の話なんだけど…」

まおりちゃんはゆっくり頷きながら聞いた。

「家族みんなで公園に遊びに行ったんだ……
お母さんとお父さんと六つ下の弟と一緒に…」

まおりちゃんは黙っていた。

「その帰りにね…弟は遊び疲れて眠って…歩いて帰ったんだ。その帰りにね…」

「母さんと父さんと弟は信号を無視するトラックに轢かれて亡くなったんだ」

まおりちゃんは一言も発しない。

「今まで’’当たり前’’にあった物がたった一瞬の出来事で、もう…帰らない’’当たり前’’になったんだ」

まおりちゃんは真剣に聞いていた。

「何を目指して生きていけばいいか分かんなくなってさ…」

「死のうと…思った事もあったんだ」

まおりちゃんは俯いて、涙を流す。

「でもね…俺はやっと希望の光を見つけたんだ…」

まおりちゃんは俺に目を合わせる。

「それはね…」