僕より大きな物を背負っている君へ

まおりちゃんはまっすぐ俺を見ていた。

「あ…ごめん…大声出しちゃった…」

自分の熱を少しさまし謝る。

「いや…いいよ…大丈夫」

少しまおりちゃんに笑みが浮かんだ。

「なんかちょっとだけスッキリしたかも…」

「スッキリ?なんかあったの?」’’スッキリ’’という単語に何か引っかかる。

「え?いや…なんでもない…」

まおりちゃんの顔が少し歪んだ気がした。

「’’なんでもない’’って…まぁ…ここで話すような事でもないか…」

「な~にぼさっとしてんの!早くバス乗るよ!」

遠くから大声が聞こえた。咲瑛さんがバスの入り口前から大声で俺達に喋っていた。

「ごめ~ん!今行くー!」

まおりちゃんがそう言って「行こっか」と俺を見て言う。

「…うん…」

まおりちゃんに今まで何があったのか…

まおりちゃんは何を抱えているのか…

聞きたかったが聞く勇気なんて持ち合わせてない。

まおりちゃんの後ろ姿が目に写る。

カメラを持ってその綺麗でまおりちゃんに見えて…俺に見えない『荷物』を抱えている後ろ姿をカメラに納めた。