僕より大きな物を背負っている君へ

「お?あれ…路面電車じゃね?」

矢島が指をさしそう呟く。

路面電車だ。結構近かったらしい。

「ちょっと走るか。いける?」と皆に聞く。

「大丈夫だよ!」とほとんどの人が元気よく言っていたのにまおりちゃんだけが

「大丈夫…だよ」と小さな声で言っていた。

そして俺達はちょっとだけ走った。

          ♢

丁度来た電車に乗り、次の駅までゆっくりする。

「疲れた~」矢島が吊り革を持ちながら言う。

「静かに」と小さな声で矢島に言う。

矢島と花都と咲瑛さんと優雅さんは少し遠くで小さな声で喋っている。

矢島っていつもこうだよな。 

まぁ…そこが取り柄でもあるんだけど…

すると、まおりちゃんが横に座ってきた。

「ねぇ…春遠くん…」
いつも目線を合わせて話すまおりちゃんなのに、

今は俯いたまま口を開いた。