僕より大きな物を背負っている君へ

「そうだよ…春遠も怖かったでしょ?」

咲瑛さんが俺を見て言う。優雅さんも俺を見る。

まおりちゃんも…

「怖かったよ…めっちゃ怖かった…もし…さっき助けられなかったって思うと…」

続きを話そうと思ったけどやめた。

「ううん…何でもない…」

そう言って、まおりちゃんに視線を合わせる。

「車が来てること早く気づけなくてごめん…」

「大丈夫…だよ。謝ら…ないで…」

自分の涙を手で拭き取ろうとするが、涙はずっと出ている。

ポケットからハンカチを出してまおりちゃんに渡す。

「あげる」たった一言を言った。

「あり…がとう…」と言って渡したハンカチでまおりちゃんは涙を拭き取った。

「じゃあ…時間もきついし、そろそろ行こうか」

いつもの「おー!」という声は来ず…

ただただみんな頷いて、歩き出すのだった。