僕より大きな物を背負っている君へ

まおりちゃんは何も言わず…ただただ俺をまっすぐ見つめ…涙をこぼした。

「ごめんね?怖い思いさせたよね?」

まおりちゃんに言うと、何も言わず何度も首を横に振った。

「おい!気いつけろ!ばか!」

心配の欠片も微塵も感じなれない言葉がふってきた。

「横断歩道でぼーっとすんじゃねぇよクソ女!」
黙れ…

「お前が全部悪いんだろ?」

おっさんの方を見て小さく呟く。

「声がちっちゃいんだよ!ガキ!」

「あ~えっと、すみません~!」出来るだけ大きな声で軽トラから俺達を眺めるおっさんに言う。

「俺がこの女の子をふざけて押してしまってこうなりました。本当にすんません!」

トラックのあいつに頭を下げた。

「だからガキは嫌いなんだ…その女にもいっとけ!ぼーっとしてたら死ぬぞって!」

無慈悲な単語を飛ばすだけ飛ばして軽トラでこの場を去って行った。

「まおりちゃん!大丈夫?立てる?」

そう言うとまおりちゃんは頷いて、立ち上がった。

そして…口を開けた。

「腕…貸して…力…入らない…」

まおりちゃんが俯いたまま言う、途切れ途切れの文をちゃんと聞き取った。

「腕…つかまって…」と言うとまおりちゃんは俺の腕をぎゅっと両手で巻くように握った。


君を…一人で逝かせはしない。