僕より大きな物を背負っている君へ

「春遠~!いたいた!」と矢島が言う。

「はぁ…ほんとに元気バカだな」と呟く。

「矢島くん…もっとゆっくり歩こうよ…」

優雅さんと花都が息を切らして矢島に言う。

「あ!ごめん!二人とも~」と申し訳無さそうに矢島は言った。

「まぁとりあえず。次の路面電車まで歩きますか」 と優雅さんが言って俺とまおりちゃん以外の四人が横断歩道を抜けきる。

「いい人ばっかだね」とまおりちゃんが呟く。

「そうだね」とまおりちゃんに返す。

「私らも渡ろっか」と言って少し俺の前を歩き出しゆっくり横断歩道をまおりちゃんは渡っていた。

班別研修って楽しいんだな。

心の中でそう呟いた。

          ♢

全身に寒気が来た。

遠くから微かに何かが来る音がした。

全身に鳥肌がたつ。

あの時見た悪夢が現実に…いやそんなことあるわけないだろ。

でもやっぱり’’来ている’’…

まおりちゃんの渡る横断歩道の百五十メートルぐらい離れた所から軽トラックが突っ込んで来る。

スピードを緩める気配を見せずに…

ダメだ…まおりちゃん…逃げて…

でも、いくら心の声で語っても、届かない。

思い出せ、もう二度と…あんな悪夢みたいに終わらせたりしない。

絶対に。