僕より大きな物を背負っている君へ

「おいしかったね~」と咲瑛さんが目の前の食べ終わった器を、見ながら言う。

「まおりさんがくれたご飯おいしかったよ」

まおりちゃんが空を見上げながら言う。

「本当に優しい人なんだ」

「…そろそろ中華街の門の方に行こっか」と咲瑛さんが言って席を立ち上がり、歩き出す。

まおりさんは暖かい。まおりちゃんみたいに…

「……勾玉ってなに?」とまおりちゃんが目線を合わせて言った。

「あ~知りたい?」とまおりちゃんに言うと。

「うん。知りたい」と返ってきて。

ごそごそと右手に持っている袋をいじり、勾玉を取り出す。

「かっこ良くて買ったわけじゃないんだけどね」と左手で持っている勾玉を見つめる。

「じゃあ…なんで買ったの?」とまおりちゃんが首を傾げて質問する。

「この勾玉には。幸運の力が宿ってるんだ。
綺麗なその純粋な緑には…純粋な好意を抱けば、おのずと好きな人に近づけるおまじないもついてるんだって」

二人は黙って俺の話を聞く。

「まおりさんの言ってることは、本当だと思ったんだ。だから買った。それだけ」