僕より大きな物を背負っている君へ

「その勾玉にはねぇ…幸運の力が宿っていてね。綺麗なその純粋な緑にはね…純粋な好意を抱けば、おのずと好きな人に近づけるおまじないもついてるんだよ」とおばあちゃんは、ゆっくり言った。

幸運…純粋な好意…おまじない…

俺には好きな人がいるかなんて分からない。

でもそう感じた。感じたんだ。

まおりちゃんの色に似てる。

’’綺麗だって’’心の奥底からそう感じた。

「教えてくれてありがとうございます」

そう言って頭を軽く下げる。

「中国地方の種島中学校の子だよね?私ね…近くの『やがり屋』ってとこで仕事しててね…修学旅行で種島中学校の子たちがくるってなって中華街のみんなやる気になっててね」

だからしゅうまいのおっちゃんも声大きかったのかな…?

「しゅうまいとか、美味しい物沢山食べますね」

ふふっ…とおばあちゃんは、笑い。口を開いた。

「好きな子がいるかは分からないけど、純粋な心を持って生きてね。じゃあね」と言っておばあちゃんは店から出てった。

「あの!」とおばあちゃんを呼び止める。

「どうしたの?」と振り向き俺に訊く。

「名前…教えてくれませんか…」

「名前?私の名前はね…」


「藤田 真織」