灰を被らないシンデレラ




「僕…あなたに、謝らないといけなくて」
「どういう事です?」
「一昨日…封筒、受け取りましたよね?」
「封筒…」


思い当たる節に気付き、憂は咄嗟に警戒心を強める。


「怖がらせるような事をして、すみません」


けれど男は憂の険しい顔など見えていないかのように頭を深く下げて謝ってくる。

話が見えない。

封筒を手渡してきたのがこの男なら沙里奈の差金のはずなのに、何故か男からは敵意も悪意も感じない。
本当にただ謝りに来たように見える。


「聞いていた話と違って…こんなに子ども思いで優しくて、僕なんかにも親切にしてくれる子だとは思わなかったんです」
「……」
「けど結果的に僕は、彼女に手を貸してあなたを怖がらせる事をしてしまった」


もうこんな事はしません、と男は懺悔する。