灰を被らないシンデレラ





しかし20歳の誕生日、やはりクソ親父はどこまでもクソなのだと思い知る。

呼び出しを受け父の書斎に入り、当然祝いの言葉などない事は分かっていたが案の定黎の様子を聞かれるだけだった。


「ーー以上になります」
「そうか」


いつもなら此処で引き続き家の為に尽力しろと突き放されるだけなのだが、今日こそは言わねばならぬとその場に居座った。


「あの、お父様…」
「それで本題だが」


憂の言葉を遮り、父は強い口調で言いデスクの上に置いていた資料を手渡してきた。


「…何ですかこれは」
「お前の結婚相手だ」
「!はあ!?」


思わずグシャリと紙束を握りつぶした。


「そんな事聞いてないんだけど!」


それまでの貞淑さを棄てそう怒鳴れば、冷ややかな視線だけが投げかけられる。



「お前の意思など関係ない。これは決定事項だ」
「…っ、だって、黎の事さえきちんとすれば他は口出ししないって、」
「だから黎の教育係は今日で仕舞いだ。あいつにはより質のいい教育を受けさせる。その代わり、お前は嫁に行け」
「なっ…!」