見るのは辛い、かと言って棄てるのも忍びなくてバッグの奥底へ押し込んでいた。
どの写真も沙里奈は笑っているが柊は無表情。
それだけでも沙里奈の一方的な恋情は伺えるし冷静になればこんなものを子どもを使って渡してくるなんて気がおかしいとしか思えない。
それだというのに頭を過ぎるのは相性が良いと言った彼女の言葉。
自分を抱くときのように彼女に何度もそうしていたのかと思うと、それまで一度も過去の女に嫉妬した事など無かったのにどうしようも無いくらい嫌な気持ちになった。
自分は柊しか知らないのに。
「…はあ…」
深みに入りそうな心を振り払い、憂は封筒ごとゴミ箱に投げ捨てた。
その後洗面所に向かい、見たことのない程の顔色の悪さに驚きつつそれをメイクで誤魔化して身支度を整え、家を出た。



