土曜のその日は出勤最終日だった。
「憂、バイト今日で終わりだったよな」
「そうだね。あっという間だったよ」
玄関先でジャケットを羽織る柊の隣に立ちながら憂はにこりと笑う。
「いい経験させてもらえたよ。ありがとう」
「ん」
そう短く返事をし、柊は憂の頭を撫でる。
「今日は出来るだけ早く帰る」
「分かった。いってらっしゃい」
お決まりのキスを交わし、柊はドアを開けて出て行った。
「……ふう…」
冴えない気持ちを表に出さないように気を払いつつそうして柊を見送り、自分もバイトに向かう為に準備を進める。
借りていたショップのエプロンを今日には返却しなければならないので予備も含めて洗濯を終えたそれをバッグへ入れようとした時、思わず手が当たって中身を全て床に散らしてしまった。
「あ…」
その中で先日、おそらく沙里奈から差し向けられたであろう写真の束を見つけた。



