灰を被らないシンデレラ





翌日、沙里奈は宣言通りに再び店に現れた。


「こんにちは」


相変わらず見た目だけは完璧な女だ。
穏やかながら隙のない笑顔も、スタイルの良さを際立てる仕立ての良いスーツも、全てが彼女の美貌と優秀さを際立てている。

レジ当番のタイミングだった憂は沙里奈を前にしてあからさまに顔を歪めた。


次第に余裕を失っている憂の姿が楽しくて仕方ないとでも言うように、沙里奈は優雅な笑みを見せつけてくる。


「そんなに警戒しないで頂戴。今日は仕事で来たのよ」


市塚課長はいるかしら?と言われ、仕事といわれてしまえば無碍にも出来ないので憂は裏に回っていた市塚を呼びに行った。

間もなくして市塚を連れて戻ると、沙里奈は親し気に彼に話しかける。