ぽつりぽつりと保護者が迎えに来て、最後の子どもが帰ったところで終了となる。
その後ホール内の清掃、使用した食器洗いを分担して行い軽い反省会の後解散となった。
「憂、途中まで一緒に帰ろう」
香里はあの発言後、責任を感じているのか帰宅するときは可能な限り共にしてくれるようになった。
申し訳ないと思いつつも、1人でいるとどうしても余計な事を考えてしまうので今は香里の心遣いが嬉しかった。
雑談をしながら駅まで歩き、各々の電車に乗り込んで別れたところで憂はふと封筒の事を思い出した。
エプロンのポケットに入れたままバッグの中にしまい込んでしまっていたので少し皺が寄っていたが、何だろうと何も疑うことなく中身を開いた。
「ーー!」
出てきたのは写真だった。
見覚えのある男女の写真。
今よりも若い柊と、隣に並ぶのは沙里奈だった。
写真は何枚も入っており、そのすべての裏に日付と場所が丁寧に書かれていた。
まるで自分達はこれだけの時間を共にしてきたのだと見せつけているようだった。
いや実際、それが目的なのだろう。
自然と手に力が入り、懐かしい絶望感が込み上がってくる。
理性で抑えようと思うのに、込み上がってくる汚い感情でそれが塗りつぶされていく。
嫉妬、焦燥、恐怖ーーその時までは確実あった柊への信頼が少しずつ薄れていっていることに、憂はまだ気付けていなかった。



