灰を被らないシンデレラ






木曜日の今日はサークル活動の日。

子ども食堂を開いている昔ながらの大衆食堂で手伝いをしていた。


「憂、そろそろ子ども達来るって」
「了解。準備はできてるよ」


今日も今日とて食事当番は憂と香里、それとこの昔ながらのレストランの店主夫妻であり、近隣の施設へ子ども達を迎えに行っていたメンバーからの報告を受けた香里が憂に声をかけた。

間も無くしてぞろぞろとはつらつとした子ども達が入ってきて、美味しそー!などと大声を上げながら各々席に着く。


「ねー憂ちゃん」


くい、とエプロンの裾が引かれて見れば、自分の腰ほどの身長の少女が自分に話しかけていた。


「どうしたの?」
「コレ、渡して欲しいって」


そう言って渡されたのは一枚の封筒。
差出人も何も書かれていない。


「えっと…これ誰から?」
「わかんない!」
「どんな人だった?」
「んとね…ーーって、あー!それわたしのー!!」


少女は最後まで答える事なく叫びながら去って行ってしまった。

差出人が気になりつつも今はゆっくりと見られる状況ではないのでひとまずポケットへと入れて子ども達の対応へ回った。


その日もいつも通り最後まで食事を楽しむ子もいれば早々に食べ飽きてスタッフ達と遊ぼうとする子、ケンカをする子供達なんかもいて、てんやわんやになりながらあっという間に時間が過ぎていった。