沙里奈は固まって動けなくなる憂に可哀想なものでも見るような、それでいて蔑んだ目を向ける。
「私知ってるの。貴女がどういう母親の元生まれたか、そしてどんな生活をしてきたか」
「…!」
「そんな生まれも育ちも碌でもない、何の能力も無い女なんて柊には相応しくないのよ」
そう冷たく吐き捨て、沙里奈は憂の肩に軽く手を乗せる。
「だから早く別れてね、阿婆擦れちゃん」
そう言い、そのまま軽やかに去って行った。
頭が真っ白になり何も考えられなかった。
憂はしばらくその場に立ち尽くしたまま、動けなかった。
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