「ーー彼、本当は口が悪いでしょう?」
女の言葉に心臓が嫌な音を立てた。
沙里奈は憂の見せた一瞬の不安を見逃さず、追い討ちをかける。
「柊とはね、大学が同じだったの。私が一つ年上で、彼が企業した時からずっと支えてた。それこそ仕事も……夜の生活も」
「…っ」
自分の知らない柊の話に耳を塞ぎたくなる衝動に駆られた。
何も言い返せないでいると、沙里奈は関係なしとばかりに続ける。
「私達身体の相性が良かったの。だから柊は色んな女と遊んでたけど、結局最後には私の元に戻ってきてた」
「……」
「貴女は…そうね。確かに若くて顔も綺麗だし身体も女らしくて素敵。でも、それだけでしょう?」
沙里奈がゆっくりと近づいてくる。
離れたいのに身体が震えて脚が思うように動いてくれない。
「貴女は所詮、その身体と家の力で柊を手にした気分になってるだけ。私なら身体も満たしてあげられるし、仕事でだって彼を支えてあげられるわ」



