「いい眺めじゃねえか。なァ?憂」
「…人の顔殴って何言ってんの?頭のネジどころか脳味噌までどっか飛んでったんじゃない?」
「調子乗ってんじゃねえぞ。散々人のことコケにしやがってこのクソアマが!」
「ふん、こんな風にしか女を抱けないなんて哀れな男」
「強がんなよ。震えてンぞ」
強がりでも何でもいいから何かを言わないと恐怖で動けなくなると思った。
とにかく1秒でも時間を稼がねばと必死だった。
少しでも事を遅らせることができれば、きっと。
「怖がる必要ねえだろ。どうせ旦那とヤりまくってんだろ?そうじゃなきゃお前みたいな顔と体しか取り柄の無え女があんな男落とせる訳ねえもんなァ」
「…ハッ!ヤることしか頭に無いのはあんたの方でしょ」
声は震えきっていて覇気なんて微塵もなかったが、それでも屈してなるものかとこれでもかと歯を食いしばった。
その必死な様子を悟ったのだろう、目の前の男は酷く愉しそうに自分を見下ろしている。



