「うん。やっぱり変えてよかったよ。人目につかなくなったからストレス激減した」
「今のところはレストランの厨房だっけ?」
「そう。賄いも美味しいし、やっぱり私に接客は無理だった」
元々有名な居酒屋チェーン店のホールで働いていた香里だったが、ずっと肌に合わないと言っていたので彼女の顔が明るくなって良かったと素直に思った。
余談だが料理に関する資格を幾つか持っていた憂に習い最近香里も勉強して資格を取った為、今回のバイトを変える際に役に立ったと喜ばれた。
それが2人の仲を進展させたと言っても過言では無い。
「今度お店に遊びにいっても良い?」
「良いよ〜休憩中に来てくれたら一緒に食べれるよ」
「じゃあそうする」
「憂の方はあと1ヶ月と少しだっけ。結構シフト入れてるよね、体大丈夫なの?」
「うん、体力ある方だから」
夜な夜な遊び回ってオールして翌日学校に行くなんて生活をしていた事もあり、若さも相まって体力だけは自信があった。
「確かに、子ども相手にした後でも憂は元気だもんね」
「私だってそれなりに体力は消費してるよ。子どもの体力ってほんと底なしだよね」
「今日のイベントの後とか私ちゃんと立ってられるかなぁ」
「ふふ、骨は拾うよ」
活動の中で色んな子ども達を相手にしていると、いかに黎が大人しくてお利口なのかを痛感する。
まあ元気だしいう事を聞かない。
生意気だなと思う事もあるけれど、自分が押さえつけられた幼少期だったのでのびのびと遊ぶ姿は羨ましくもあり嬉しくもあった。



