実績もあるこのサークルには福祉に興味のある人間が集まるため、必然的に人が良くで穏やかな性格の者が多い。
人の悪意に触れる事の多かった憂にとっては比較的居心地良く感じられる場所だった。
それまで学校では一匹狼を貫いていたが、何度か活動を重ねるうちに親しく話せる友人も出来た。
「臣永さんって子ども好きなの?」
会話の一環でそう聞かれたが、答えには少し迷った。
きっかけは子ども相手なら柊も煩く言わないし、ずっと黎の面倒を見てきたので抵抗がなかったと、それだけの話だ。
好きか嫌いかの二極化で聞かれれば好きな方だと思う。
自分を見てお姫さまみたい、とキラキラした目で言ってくれるのは純粋に可愛いと思うし。
「好きな方だと思う。年の離れた弟がいるから親近感が湧くんだよね」
「弟さんは何歳?」
「5歳」
「そっか!可愛い盛りだね。ごめんね変なこと聞いて。ここのサークル外部生ばかりだから、内部生の臣永さんが入会するって聞いてみんなびっくりしちゃって」
「そうなんだ…」
「でも臣永さん入ってくれて嬉しいよ。実はうちのサークル、料理できる子が意外と少なくて」
ボランティアスタッフとしてお邪魔する時は良いけどサークル主催で開催する時がね、と彼女は困った顔で笑った。
去年まではそれなりに料理の得意な人の数が居たそうだが、卒業やら退会やらで今年に入って一気にいなくなってしまったらしい。
「残ってる子たちは実家組が多いからかな、あんまり料理に触れる機会が無いみたいで。お味噌汁作るってなった時、出汁取るって知らなくてそのまま味噌入れ始めた時はびっくりしたなあ」
お米を洗剤で洗ったりね、と言うのでそれには本当にやる人が居たんだと素で驚いた。



