灰を被らないシンデレラ





「ただしバイトはダメだ。どんな虫が寄ってくるか分かったもんじゃねえ。サークルも女が多いところにしろ」
「…心狭くない?」
「最大限譲歩してやってんだろうが」
「はぁ…分かったよ」


背もたれに身を預けて天を仰ぐ。

一度いらっしゃいませとか言ってみたかったんだけどなあ、とうわ言のように言えば目の前の男が深いため息を吐いた。


「そんなにやりてえなら、うちでバイトさせてやる」
「柊さんの会社で?」
「会社っつーか、今度うちのプライベートブランドのポップアップストア出すんだよ。期間限定でな。そこのバイト枠に入れ込んでやる」
「いいの?」


体を起こし身を乗り出して言えば、柊は腕を組んで頷く。


「そこならギリ俺の目の届く範囲内だしな。特別に許す」
「あ、ありがとう!」